最遠方の銀河で探る宇宙の夜明け

すばる望遠鏡は、人類が見た宇宙の「最遠方銀河」の記録を次々と塗り替えてきました。例えば2012年には、地球から 129.1 億光年先 (赤方偏移 7.215) にある銀河 SXDF-NB1006-2 を発見しました。すばる望遠鏡はこれらの観測により、ビッグバンから 7.5 億年後の宇宙空間にある中性水素ガスの割合が現在の宇宙に比べ多いこと、そして宇宙の歴史を遡るにつれて中性水素ガスの割合が増えるということを明らかにしています。人類が見ている深宇宙のフロンティアが、宇宙空間を満たしていた中性水素ガスが初代星・初代銀河からの放射によって電離していった時代、つまり「宇宙の夜明け」の時代に突入しつつあることを物語っています。