
銀河の世界
星の大集団である銀河には、いろいろな形のものがあり、大きさもさまざまです。中心に巨大ブラックホールを持つ大型銀河も存在します。その多様性がいかにしてつくられてきたのか、これは多くの研究者が取り組んでいる問題です。銀河は互いに衝突・合体を経てつくられたとみられ、その研究が銀河形成を理解する鍵と考えられています。さらに宇宙では無数の銀河が大規模な構造を成して存在しています。銀河が群れている銀河団や銀河群と呼ばれる領域がある一方で、孤立した銀河がぽつぽつと点在するだけのフィールド領域と呼ばれる場所もあります。すばる望遠鏡は広い視野と高い集光力を活かし、様々な時代や環境における銀河の世界を俯瞰します。
研究者からのコメント

すばる望遠鏡は広い視野にわたって細かい構造を見ることのできる天体撮像を得意としており、また同時に多くの天体を分光観測できる装置も持ち、近傍から数十億光年かなたにあるひろがった構造をもつ天体の研究に威力を発揮しています。今後、ALMA などの他波長での観測と連携して、より詳しい銀河の進化が見えてくると期待されます。
太田耕司 (京都大学)