観測成果

すばる 宇宙からバーストをキャッチ

2000年5月4日


画像 (JPEG 129KB)
キャプション (TEXT)

【観測条件】
天 体 名: ガンマ線バースト GRB 000301C
使用望遠鏡: すばる望遠鏡 (有効口径 8.2m)、カセグレン焦点
使用観測装置: IRCS
フィルター: J (1.25µm)、H (1.65µm)、K' (2.12µm)
カラー合成: 青 (J)、緑 (H)、赤 (K')
観測 日時: 世界時 2000 年 3 月 3 日
露出 時間: 各 18 分
視   野: 45 秒角 × 45 秒角
画像の向き: 上が北、左が東
位   置: 赤経 (J2000.0) = 16時20分18.6秒、赤緯 (J2000.0) = +29度26分36秒 (かんむり座)

【説 明】
 すばる望遠鏡のカセグレン焦点に取りつけた近赤外線分光撮像装置 IRCS により、 近赤外線でガンマ線バースト GRB 000301C の光学対応天体をはっきりととらえることに成功しました。ガンマ線バーストは、数秒から数十秒という短い時間に、膨大なエネルギーがガンマ線 (波長 100 億分の 1 メートル以下の電磁波) として宇宙空間に放出される現象です。ガンマー線バーストは約 30 年前に発見されましたが、その詳しいメカニズムはいまだ明らかにされていません。

 今回の迅速な観測により、このガンマ線バーストに関する詳細な近赤外線測光データが初めて得られました。これらの結果は、ガンマ線バースト コーディネイト ネットワーク (下記注) のサーキュラー GCNC 577, 587 (http://gcn.gsfc.nasa.gov/gcn/gcn3_archive.html) として報告されており、また科学論文としても投稿されています。ガンマ線バーストの光学対応天体の明るさが変化する様子を観測することにより、ガンマ線バーストのメカニズムが解明できると考えられています。




(注) 「ガンマ線バースト コーディネイト ネットワーク」とは、 (1) BATSE (NASA の Compton GRO 衛星のガンマ線観測装置) からのガンマ線バースト位置情報を数秒で速報、(2) 他の衛星による位置を配信し、(3) 追観測結果を配信するネットワークシステムのことです。登録することにより、電話 (モデム)、ソケット通信、電子メールなどあらゆる媒体で情報を受信することが可能です。詳しい内容は、http://gcn.gsfc.nasa.gov/gcn/gcn_main.html を参照してください。

 

 

 

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