観測成果

2011年

129.1 億光年の彼方、宇宙の「夜明け」にきらめく銀河を発見
129.1 億光年の彼方、宇宙の「夜明け」にきらめく銀河を発見
2011年12月15日

東京大学の研究者を中心とする研究チームは、私たちから 129.1 億光年先、ビッグバン後わずか 7.5 億年の生まれて間もない宇宙に、きわめて活発に星を生み出している銀河 GN-108036 を発見しました。この銀河では毎年太陽 100 個分のガスから星が生まれており、宇宙の同時代にこれまで見つかっている他の銀河とは比べものにならないほどです。

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すばる望遠鏡、オリオン座 KL 星雲を照らすエネルギー源を突き止める
すばる望遠鏡、オリオン座 KL 星雲を照らすエネルギー源を突き止める
2011年12月6日

日本スペースガード協会、国立天文台の研究者らを中心とする研究チームは、オリオン大星雲内にある有名なクラインマン・ロー星雲を温かく照らす真のエネルギー源の位置を、すばる望遠鏡による中間赤外線観測で突き止めました。赤外線画像を見るだけではわからなかったことが、複数の赤外線画像を組み合わせて温度や減光量といった物理的な値の分布を調べることにより、このようなことが可能になったのです。

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小惑星同士の衝突で生じた奇妙なチリ雲 ~ 観測・実験・理論の強力タッグで解き明かしたチリ雲の成因 ~
小惑星同士の衝突で生じた奇妙なチリ雲~観測・実験・理論の強力タッグで解き明かしたチリ雲の成因~
2011年10月19日

ソウル大学の研究者が率いる国際研究チームは、すばる望遠鏡や石垣島天文台むりかぶし望遠鏡での観測から、地球から約4億キロメートル離れた小惑星 Scheila に現れた奇妙な「3つの尾 (チリ雲)」の成因を詳細に解明することに成功しました。観測結果とチリ粒子の軌道計算を比較したところ、この奇妙な「3つの尾」は、2010年12月2日 21時から3日 19時 (日本時間) の間に、直径数十メートルの小惑星が後方から追突したために発生したものだとわかりました。小惑星同士の衝突が現在の太陽系でも起こっていることはこれまでもたびたび推定されてきましたが、チリ雲の解析から衝突日や衝突方向などが明らかになったのは、天文観測史上はじめてのことです。

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すばる望遠鏡、惑星と恒星のはざまを繋ぐ:木星のわずか6倍の浮遊惑星も直接観測
すばる望遠鏡、惑星と恒星のはざまを繋ぐ:木星のわずか6倍の浮遊惑星も直接観測
2011年10月11日

日本、カナダ、アイルランド、スイスの研究者たちからなる国際研究チームが、2つの若い星団において、約 30 個もの新しい褐色矮星を発見しました。褐色矮星は質量が軽いため、太陽のように核融合反応により輝く恒星になれません。今回発見された褐色矮星には、木星のわずか6倍の重さしかない惑星質量天体も含まれ、しかも太陽系の惑星のように恒星を周回せず、孤立して空間を浮遊しています。さらに、星団の一つでは褐色矮星の割合が他の領域よりもずっと多く、普通の恒星の数の約半分に達しています。これらの発見は、ハワイのすばる望遠鏡とチリの VLT という世界最大級の2つの望遠鏡を用いて行われました。

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すばる望遠鏡、125 億光年彼方の銀河に炭素を発見 ~ 宇宙における炭素誕生の謎に迫る ~
すばる望遠鏡、125 億光年彼方の銀河に炭素を発見 ~ 宇宙における炭素誕生の謎に迫る ~
2011年10月5日

愛媛大学および京都大学の研究者を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡の微光天体分光撮像装置 FOCAS を用いた可視分光観測によって、125 億光年彼方にある最遠方電波銀河 TN J0924-2201 から放射された炭素輝線の検出に世界で初めて成功しました。検出された輝線を調査したところ、驚くべきことに宇宙誕生後 10 億年頃の電波銀河には既に炭素元素が豊富に存在していたことがわかりました。元素が宇宙の歴史の中でいつ、どのように生成されてきたのかという問題は未だに解き明かされていません。

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すばる望遠鏡、最遠方の超新星を続々発見
すばる望遠鏡、最遠方の超新星を続々発見
2011年10月3日

京都大学、東京大学、およびイスラエルと米国の研究機関の研究者からなる研究チームは、すばる望遠鏡を用いて 100 億光年以上遠方の銀河に Ia 型超新星を新たに 10 個発見しました。このうち一つはこれまでに知られている中で最も遠い Ia 型超新星であり、また、現在までの最遠方 Ia 型超新星ランキングでベスト 10 のうち9個を占め、すばる望遠鏡の遠方天体探査の能力の高さを示しています。チームはこの新しいサンプルを用いて、Ia 型超新星の発生頻度の進化や、Ia 型超新星の母天体について新たな知見を引き出しました。

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すばる望遠鏡が写し出した宇宙の遠近感
ステファンの5つ子にみられる星生成活動
2011年8月18日

すばる主焦点カメラが、ステファンの5つ子と呼ばれる銀河群の星生成活動をとらえました。この銀河群は「5つ子」と呼ばれてはいるものの、実際には一つだけが我々のすぐ近くにあり後退速度がほぼ0の銀河で、残りの4つは後退速度が毎秒 6,000 km 以上の遠くにある銀河です。今回すばる望遠鏡では、銀河の後退速度に対応したフィルターを使うことで、異なった距離にあるのに偶然同じ方向に重なって見えている5つ子達の、それぞれの星生成活動を詳細に観測することに成功しました。

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すばるパノラマ画像がうつしだす、「赤く燃ゆる銀河」の棲みか
すばるパノラマ画像がうつしだす、「赤く燃ゆる銀河」の棲みか
2011年8月5日

東京大学と国立天文台の研究者からなる研究チームは、すばる望遠鏡を用いたパノラマ観測によって、40 億年前の宇宙にある巨大な銀河団の周辺に、赤く輝く星形成銀河を多数発見しました。この「赤く燃ゆる銀河」の正体は、まもなく星形成をやめて、若さを失いつつある銀河。そんな「人生の過渡期」にある銀河が、銀河団の中心から遠く離れ、これまで調査の及ばなかった領域に、群れをなして棲息していることが分かったのです。

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レーザーガイド星補償光学での遠宇宙観測が本格始動 ~ 10 倍になった視力で初めてみえた重力レンズ銀河 ~
レーザーガイド星補償光学での遠宇宙観測が本格始動
2011年7月6日

すばる望遠鏡に搭載されるレーザーガイド星補償光学装置が完成し、国立天文台を中心とした研究開発チームは本格的な科学観測を開始しました。レーザーガイド星補償光学装置は、2006年に作り上げた 188 素子補償光学装置とレーザーガイド星生成システムとをすばる望遠鏡に統合した観測システムです。この装置を使い、これまで補償光学装置で観測できなかった天体、特に遠方の銀河やクェーサーの大多数を、従来の 10 倍の解像力で観測することができるようになりました。 

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色の対照鮮やか、おうし座の連星系円盤
色の対照鮮やか、おうし座の連星系円盤
2011年6月3日

 神戸大学、埼玉大学、大阪大学、東京大学 (著者順) の研究チームが、若い双子星 (連星) の観測を行い、双方の星を囲む原始連星系円盤の複雑な構造を描き出しました。円盤の南北が、それぞれ異なる波長 (色) で強く輝いている様子がわかり、赤外線および可視光という異なる2波長の観測を合わせて研究を進めることの利点も示しました。

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合体銀河の奥深くに潜んだ活動的な超巨大ブラックホール
合体銀河の奥深くに潜んだ活動的な超巨大ブラックホール
2011年4月25日

 国立天文台を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡およびジェミニ南望遠鏡を用いた観測により、10天体の合 体赤外線銀河の奥深くに、塵に埋もれた活動的な超巨大ブラックホールが存在する可能性が高いことを突き止めました。数多くの合体銀河について中間赤外線での高解像度撮像観測を行い、塵に埋もれた活動的な超巨大ブラックホールの存在を系統的に明らかにしたのは今回が初めてです。

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すばる望遠鏡の最新成果が勢ぞろい ~ 日本天文学会欧文研究報告「すばる望遠鏡特集号」が刊行
すばる望遠鏡の最新成果が勢ぞろい ~ 日本天文学会欧文研究報告「すばる望遠鏡特集号」が刊行
2011年4月7日

 日本天文学会が発行する「欧文研究報告」では、2011年3月増刊号として「すばる望遠鏡特集号」が刊行されました。この特集号には、すばる望遠鏡を用いて得られた研究成果として、多岐の分野に渡る 19 編の論文が掲載されています。すばる望遠鏡のウェブサイトでは、この特集号で扱われている研究の流れと、各論文の内容をわかりやすく紹介しています。

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宇宙幼年期の壮年銀河団 (宇宙初期に既に大人の銀河団が出現)
宇宙幼年期の壮年銀河団 (宇宙初期に既に大人の銀河団が出現)
2011年3月9日

  フランスの天文学者をリーダーとする国際チームが、すばる望遠鏡を含む地上・宇宙の最先端の望遠鏡群を使い、これまで発見された中で最も遠くにある壮年銀河団を発見しました。現在の年齢の4分の1にも満たない若い宇宙で新しく見つかったこの銀河団は、現在の宇宙に見られるような、既に成長しきった銀河団にきわめてよく似た特徴を示していたのです。

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すばる望遠鏡、爆発的星生成銀河 M82 の銀河風の起源を解明
すばる望遠鏡、爆発的星生成銀河 M82 の銀河風の起源を解明
2011年3月7日

 JAXA 宇宙科学研究所・京都大学などの研究者からなるチームは、大気圏外の赤外線望遠鏡に比べて口径の大きなすばる望遠鏡を用いることで、爆発的星生成銀河 M82 の赤外線放射を既存の望遠鏡で得られる最高の解像度でとらえることに成功しました。この観測により、温められたダストからの赤外線放射について、これまででもっとも詳細な分布が描き出されました。

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世界で最も鮮明な惑星誕生現場の画像 ~巨大惑星が描く円盤の模様を写す~
世界で最も鮮明な惑星誕生現場の画像 ~巨大惑星が描く円盤の模様を写す~
2011年2月17日

 国立天文台などの研究者たちからなる国際研究チームが、すばる望遠鏡と最新の開発装置を用いて、ぎょしゃ座 AB 星と呼ばれる年齢約 100 万年の若い星の観測を行いました。そして、惑星が生まれる現場である原始惑星系円盤に対し、現在、世界でもっとも詳細に、かつ、もっとも中心星に近い領域の構造を解明しました。

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すばる望遠鏡、爆発的な星形成をする「ロゼッタストーン銀河団」を発見
すばる望遠鏡、爆発的な星形成をする「ロゼッタストーン銀河団」を発見
2011年2月1日

 国立天文台等の研究者からなる国際研究チームは、こぎつね座の一角に、非常に激しい勢いで星形成をする銀河の集団を発見しました。現在の銀河団の種に相当するこの銀河集団は約 110 億光年の彼方にあります。宇宙の育ち盛りの時代にある活発な銀河の様子を垣間見ることができる貴重な例となりそうです。

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