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年老いた星に見つかった「弾丸」と「角」のような構造
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2002年9月29日 |
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イリノイ大学の植田稔也さんと研究グループは、 すばる望遠鏡の近赤外線分光撮像装置 IRCS による観測から、 年老いた星 AFGL 618 の周りに「弾丸」や「角」に似た構造を発見しました。 可視光よりも波長の長い近赤外線によって、これらの構造を捉えたのははじめてのことです。 今回の高分解能で高感度な観測から、 太陽のような中位の質量を持った星が年老いていく複雑な過程について、 新たな知見が得られたといえます。すばるが観測した AFGL 618 は、双極惑星状星雲の中でも、 最も重要な天体として知られています。この年老いた星は、 惑星状星雲とは言っても地球のような惑星ではなく、 年老いた星とその星からかつて放出されたガスやチリからなる天体のことです。 特に AFGL 618 は星雲が2つの方向に伸びていることから、 双極惑星状星雲と呼ばれています (図では、左右の方向)。 研究グループは、この星雲の両端に「弾丸」と「角 (つの) 」のような構造を発見しました。 |
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すばるが宇宙の果てにある爆発銀河を発見
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2002年8月8日 |
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東北大学を中心とする共同研究チームは、すばる望遠鏡による観測から、宇宙が生まれてわずか 10 億年しかたっていないころの、星が爆発的に誕生している銀河を発見しました。続くすばる望遠鏡とケック望遠鏡の観測により、この銀河から宇宙空間へ高速に噴き出す水素ガスの存在が明らかになりました。ガスの噴出は、銀河内部で星が活発に形成されているためと考えられています。宇宙が 150 億年前にはじまったとすると、この銀河までの距離は 140 億光年以上となり、高速に水素ガスを噴き出している銀河の中では最も遠方の天体です。すばるをはじめとする大型望遠鏡の観測によって、宇宙が生まれたころの銀河の誕生や進化について、今後明らかになっていくと期待されています。 |
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宇宙の暗黒時代の終わりを告げる銀河の光
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2002年5月7日 |
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ハワイ大学の天文学者を中心とした研究チームは、宇宙で星や銀河が形成され始めた時代の銀河を発見したと報告しました。「銀河が誕生し始めた直後の、宇宙の『暗黒時代』とこれまで考えられた時代に見つかったこの銀河では、星が連続的に誕生しています」と研究チームの代表者であるハワイ大学のエスター・フー教授は話しています。 |
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銀河の周りに広がる超巨大ガス雲の発見
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2002年4月15日 |
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すばる望遠鏡の主焦点カメラ (Suprime-Cam) による観測で、NGC 4388 と呼ばれる銀河の周りに大きさが約 11 万光年もある電離した水素のガス雲を発見しました。画像の中で、銀河の中心から左上の方向に広がる紫色や赤色に見えているのが今回発見したガス雲です。この銀河は、私たちの銀河系からおよそ 6000 万光年離れた、おとめ座銀河団に属しています。今回のガス雲の発見は、銀河団内で集まっている銀河の進化を解明する手がかりになると期待されています。 |
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近赤外線で見た天王星と環と衛星
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2002年2月21日 |
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すばる望遠鏡のコロナグラフ撮像装置 CIAO と波面補償光学装置 AO を組み合わせて天王星と環と衛星を撮影しました。 1781 年 3 月 13 日にウィリアム・ハーシェルは自作した望遠鏡で観測中、恒星に比べ大きさを持つ天体を発見しました。当初は彗星と考えられていたこの天体は、その後の観測から土星軌道の外側を回る新しい惑星であることがわかり、天王星と名付けられました。 |
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すばるが超新星 SN 2002ap を観測
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2002年2月6日 |
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すばる望遠鏡の共同利用観測者である東海大学・比田井昌英さんをはじめとする観測チームはハワイ時間 2002 年 2 月 2 日、高分散分光器 HDS を用いて超新星 SN 2002ap の分光観測に成功しました。この超新星は、日本のアマチュア天文家、広瀬洋治さんによって、日本時間 2002 年 1 月 29 日に発見されたものです。 |
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波面補償光学装置 AO による初の分光観測
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2002年1月16日 |
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すばる望遠鏡のカセグレン焦点に取り付ける波面補償光学装置 (Adaptive Optics、以下 AO) は、大気のゆらぎの影響を補正し、望遠鏡の理論的限界に近い精度の像を得る装置です。2000 年 12 月にファーストライトを迎えた後、試験観測を行いながら調整を進めています。この度、AO と 近赤外分光撮像装置 IRCS を組み合わせた分光観測に成功し、すばる望遠鏡の能力が最大限に発揮された成果を得ることができました。 |
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