星・惑星形成過程の概念図

  figure  

参考図:これまでのさまざまな観測により、太陽のような比較的軽い星はこの図のような進化段階を経て主系列星に至ると考えられています。その進化の過程はおおまかに記すと以下のようになります。

  星は分子雲と呼ばれるガスと塵のかたまりの密度の大きい部分が自らの重力で収縮して生まれます。図の最上段および2段目が生まれたばかりの星に対応するもので「原始星」と呼ばれています。星の周囲は多量のガスと塵に取り囲まれていて、中心にこれらの物質が落ち込んでいる状態でです。物質は直接に中心の星に落下するのではなく、おそらくこの段階で中心星を取り囲む円盤が出来ており、そこに向かって落下し、重力エネルギーを放出しています。その熱が赤外線やサブミリ波などの電磁波で観測されているのです。年齢は10万年以下と考えられます。

  図の3段目は、いわゆる「Tタウリ型星」と呼ばれる年齢が100万年の若い太陽に相当する時期を表します。原始星のまわりに見られた多量の物質は、激しい吹き出しなどに よって吹き払われて、もっぱら濃い円盤構造のみが中心星のまわりに残ります。これが原始惑星系円盤です。

  図の4段目は、Tタウリ型星がさらに進化した段階で年齢は1000万年程度に対応します。原始惑星系円盤はしだいに薄くなり、代わりに惑星などが生まれている可能性があります。

  図の最下段は、中心星で安定して水素が燃焼し、主系列星に達した状態を表します。年齢は1億年程度に対応します。原始惑星系円盤はほぼ消失してしています。しかし、一度形成された微惑星などの小天体の衝突などから生まれた第2世代の円盤が観測されることがあります。これが、いわゆるがか座ベータ星の塵円盤や私たちの太陽系の黄道光の原因となる塵だと考えられています。

 




画像等のご利用について

ドキュメント内遷移