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すばる望遠鏡を支えるスタッフ(13)

2006年8月1日

今回は、今年4月にハワイ観測所長として就任された、林 正彦さんの紹介です (情報は掲載当時のものです)。

林 正彦 (はやし まさひこ):岐阜県出身。東京大学天文学科卒業後、東京大学大学院に進んで電波天文学を勉強する。天文学で博士号取得。今は星や惑星の形成過程の研究をしている。

―― 小さな頃はどんな少年時代を過ごしていましたか?

 小さな頃は毎日、山を駆け上って遊んでいましたね。大人になって、都会に住んでいる人はわざわざ山に登りに行くと聞いて驚きました(笑)。それだけ山というものは身近にあったんですね。

―― その頃の夢はやはり天文学者でしたか?

 実は、小さな頃は自分が天文学者になると思ってはいなかったのですよ。しかし、最近自分の母校で進路の講話をした際に、小学校時代の作文に「天文学者になりたい」と書いていたことが分かってびっくりしました(笑)。

―― いつ頃から本格的に天文学を学ぼうと思ったのですか?

 “研究者”になりたいといった目標は中学校、高校の頃から芽生え始めました。しかしその頃は“天文学者”とは雲を掴むような話で、なんだか自分ではよく分からなかったんです。しかし研究がしたいという思いは強かったですね。大学生の時に進路を決める際には悩みました。結局、自分の性格にあった大雑把な学問、“天文学”を選びました。

―― すばる望遠鏡プロジェクトと関わるようになったきっかけとは?

 すばる望遠鏡に携わりだしたのは1994年です。大きなプロジェクトに興味がありました。一言にプロジェクトといっても大小様々ありますので、私は大きいプロジェクトの方が得られるものが大きいと思ったのです。

―― 所長として今後の抱負は何ですか?

 今すばる望遠鏡では非常によい成果が出ているので、これからもそのよい成果が途切れなくでるように日々持ちこたえること。そうはいっても何も新しいことをやらなければ、すぐに時代遅れになってしまう。次の時代の先端を行けるような装置を作っていくプロジェクトを推進する。あとは、この観測所は日本とハワイという文化が入り混じっている非常にユニークなところなので、お互いの国の良さを生かせる職場作りに励んでいきたいですね。

―― 休日の過ごし方は?

 私は料理を作るのが趣味でして、夕食をよく作っています。あとは読書と、お酒を飲むのが好きです。特にカリフォルニアワインはアメリカでは安くておいしいので、よく味わっていますね。

―― 読者のみなさんへメッセージをお願いします

 自分でやる気にならないと何事もできない。これが意味することはなかなか難しいですけれど、自分で研究がしたいなら研究がしたいと、自分がこの仕事に就きたいなら就きたいと、自分で強く思って、そのために努力をしなければそれはできない。何も天文学に限った話ではないですね。どんな事でも、自分で本当にそれをやろうと思うことが重要だと思います。



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