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すばる望遠鏡を日本から支える「すばる室」

2002年9月18日

  1. 三鷹すばる室とは?
  2.  すばる望遠鏡計画は、約20年前に本格的な検討が始められました。当時はまだ「すばる」という名前ではなく、大型光学赤外線望遠鏡(Japan National Large Telescope:JNLT)計画と名付けられており、「JNLT 準備室」が2~3名で発足しました。

     1991年に、すばる望遠鏡建設のための予算が承認され、実際に望遠鏡の建設がスタートしたときから、「すばるプロジェクト室」と改称され、約40名のスタッフですばる望遠鏡の建設計画が推進されることになりました。

     1997年には、現在、すばる望遠鏡を運営しているハワイ観測所が米国ハワイ島ヒロ市に設置されました。この際に、日本においてすばる望遠鏡の運用を担当する「すばる三鷹オフィス」(通称 すばる室)が設けられたのです。

  3. すばる室の役割
  4.  すばる望遠鏡を含め、国立天文台の施設は、国内外の天文学研究者が使用する目的で作られています。この「共同利用」と呼ばれる観測を円滑に行うことが、国立天文台の最も大事な仕事です。すばる室の担当は、すばる望遠鏡の共同利用観測の支援といえます。

     たとえば、すばる望遠鏡での共同利用観測の申請を受け付け、国内の天文学研究者からなるプログラム委員会、及び、委員会によって決定される国内外の審査員に審査、採択課題の決定を依頼するという事務的な作業があります。さらに採択された観測課題については、観測者がハワイに出張する際の事務手続きを行います。観測が成功すれば、データ解析がスムーズに行われるように、データ処理環境の提供と支援を行っています。

     また、すばる望遠鏡の保守や機能向上のための、日本国内での基礎実験やメーカー等との保守及び物品購入契約の締結、新たな観測装置の開発や、各大学での装置開発の支援、すばる望遠鏡に関する広報普及活動の支援も大切な仕事です。

  5. すばる室のメンバー
  6.  すばる室は、技術職員を含む22名の常勤職員と、8名の非常勤事務職員から成り立っています。すばる室長は、野口邦男教授 (前列左から4番目) です。

     

     

     

     

     

  7. すばる室長の仕事
  8.  すばる室長として、上記の業務の一部を直接処理するだけでなく、すばる室内での各業務の連携と分担が円滑に行われるための調整、ハワイ観測所との業務の連携をうまく進めるための連絡、調整を行なっています。

    • 室長への質問その1: いま特に力をいれていることは何ですか?

    •  今年度は、すばる関係の資料整備にもこれまで以上に力を入れ、また将来のために、日本からすばる望遠鏡をコントロールして、観測が行えるように準備を進めています。

    • 室長への質問その2: 苦労していること、困難なことはどんなことですか?

    •  ハワイ観測所があるハワイ島ヒロ市との距離と時差の克服ですね。テレビ電話やインターネット電話などを使って、会議や研究会を行っています。また、すばるは外国に建設された施設ですが、国内用の法令の下でも運用されていることに常に気を配らなくてはならない点ですね。

 

 

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