お知らせ

国立天文台講演会・すばる望遠鏡公開講演会「宇宙最大の爆発を追う」開催のご案内

2013年5月13日

  超新星は、重い星が一生の最期に起こす大爆発です。このとき放出される莫大なエネルギーは、銀河の形成と進化に大きな影響を与え、生み出された新たな元素は、多様な物質世界をつくり上げてきました。ところがこの超新星爆発そのものについては、まだ多くの謎が残されています。さらに、強いガンマ線が突発的に放たれる「ガンマ線バースト」現象にも、超新星が深く関わっていることがわかってきました。

 すばる望遠鏡はさまざまな視点から、超新星の爆発のしくみやガンマ線バーストの起源に迫る観測を行ってきました。また、超新星などが原動力となって進んできた、宇宙の物質進化の秘密も解き明かそうとしています。これまでにどんな驚くべき事実が明らかになってきたのか、今後のすばる望遠鏡や次世代超大型望遠鏡 TMT の課題は何か、天文学研究の最前線にご案内します。


概要:

テーマ 宇宙最大の爆発を追う ― 超新星、ガンマ線バーストと元素合成
日時 2013年6月9日 (日曜日) 午後1時~午後4時 (開場は午後 12 時)
会場 一橋講堂 (学術総合センター内)
東京都千代田区一ツ橋2‐1‐2 学術総合センター2階
地下鉄神保町駅 A8 出口から徒歩3分/竹橋駅 1b 出口から徒歩4分
対象 特に制限なし (講演内容は、主に中学生以上を想定しています)
定員など 500 名 (事前申込制、先着順)、参加費無料
主催 自然科学研究機構 国立天文台

プログラム:

13:00 – 13:10 開会あいさつ、講演者紹介
13:10 – 14:00 講演「超新星の謎に迫る」
田中雅臣 (国立天文台 理論研究部)
14:00 – 15:00 講演「宇宙最大の大爆発、ガンマ線バースト」
橋本哲也 (国立天文台 TMT 推進室)
15:00 – 16:00 講演「元素組成が物語る太古の超新星」
青木和光 (国立天文台 TMT 推進室)

講演内容:

田中雅臣「超新星の謎に迫る」

田中雅臣

いつも同じように輝いている星も、いずれは寿命を迎えます。なかには大爆発を起こし、明るく輝いてその一生を終えるものがあります。この大爆発が「超新星」です。すばる望遠鏡はこの 10 年間の詳細な観測により、謎に包まれた超新星のしくみの解明に大きく貢献してきました。その軌跡を振り返るとともに、今後すばる望遠鏡と TMT によってさらに発展する、超新星研究の最前線をお伝えします。


橋本哲也「宇宙最大の大爆発、ガンマ線バースト」

橋本哲也

ガンマ線バーストは宇宙でもっとも激しい爆発現象で、数秒から数十秒の間に、突発的にガンマ線が激しく放出される謎の天体現象です。超新星爆発と深く関わっているらしいのですが、多くは目に見える可視光の「残光」が非常に暗いため、正体はほとんどわかっていません。近年、すばる望遠鏡の観測によってみえてきたガンマ線バーストの新たな顔、そして TMT が切り拓くガンマ線バースト研究の最前線を紹介します。


青木和光「元素組成が物語る太古の超新星」

aoki和光

ビッグバンの直後、宇宙にはまだ水素とヘリウムしかありませんでした。それ以外の元素はその後、星のなかでつくられてきたのです。重い星が超新星爆発を起こすと、それまでにつくられた大量の炭素や酸素などをばらまくとともに、新たにさまざまな重い元素をつくり出します。宇宙の初期に誕生した星の生き残りをすばる望遠鏡でくわしく観測することで、当時の超新星がどんな元素を生み出したのかが明らかになってきました。こうして超新星と天の川銀河の成り立ちを調べる研究が、すばる望遠鏡と TMT で進められようとしています。


参加申し込み

参加申し込みはこちらのサイトへ: http://www.nao.ac.jp/news/notice/2013/20130609-naoj-lecture.html





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