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すばる望遠鏡、赤外線用主焦点での観測を再開 (すばる望遠鏡障害発生報告 第六報)

2011年10月5日 (ハワイ)、6日 (日本) 発表

  すばる望遠鏡は7月2日 (ハワイ現地時間、以下同じ) の冷却液漏れのあと、ナスミス焦点・カセグレン焦点を用いて共同利用観測を進めてきました。これに続き、赤外線用主焦点においても、9月20日に試験観測を行い、9月22日より共同利用観測を再開しました。この焦点では、ファイバー多天体分光器 (FMOS) を用いた観測が行われます。

  この観測に用いられる赤外線用主焦点ユニットは、冷却液漏れを起こした可視光用主焦点ユニットとは別のものです。しかし、ケーブル巻き取り機構をはじめ、主焦点ユニットとして共通する部分も多いため、観測再開にあたっては、事故調査委員会の報告書にあげられた改善案に沿って、種々の安全対策をとりました。

  障害発生時に使われていた可視光用主焦点ユニット(主焦点カメラ Suprime-Cam 及び周辺光学系)については、現在修復作業を進めており、観測再開には数ヶ月を要する見通しです。


国立天文台


用語解説:

・ファイバー多天体分光器 FMOS (Fiber Multi-Object Spectrograph)
  ファイバー多天体分光器主焦点の広い視野内で、最大400もの天体の光を近赤外線で同時に分光観測できる装置です。遠方の銀河やクェーサー、星団の中の星など、さまざまな天体を統計的に研究するときに威力を発揮します。

・主焦点ユニット
  すばる望遠鏡の主焦点部分に観測装置を搭載するための機器で、装置回転機構、周辺光学系システム、ケーブル巻取り機構を一体化したシステムのことです。可視光用と赤外線用の2つの主焦点ユニットがあります。

  

すばる望遠鏡本体と主焦点の観測装置。

:すばる望遠鏡本体と主焦点の観測装置。今回は、ファイバー多天体分光器 (FMOS) の観測が再開されました。

  

  


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