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ハワイ観測所研究員による研究成果「宇宙の特殊な光から地球上の生命の起源に新知見」

2010年4月6日

 ハワイ観測所の福江翼研究員らの研究グループが、オリオン大星雲中心部の大質量星形成領域において、円偏光という特殊な光をとらえました。星形成領域の円偏光は、地球上の生命の素となるアミノ酸が「左型」である原因の一つとして注目されています。円偏光はこの領域の太陽程度の若い小質量星においてはみられません。太陽系も大質量星形成領域の近くで誕生し、その円偏光によって原始太陽系中のアミノ酸が左型に偏った可能性があります。

 これは研究グループが、南アフリカの赤外線望遠鏡IRSFに取り付けた近赤外線偏光観測装置SIRPOLを用いて観測した成果です。詳しくはこちらのホームページへ。




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オリオン大星雲の円偏光の赤外線観測結果
円偏光度 (観測されたすべての光の中の円偏光成分の割合) をカラー表示しています。図の黄色部分が、我々観測者から見て、光 (電磁波) の電場ベクトルが左回り (反時計回り) に回転している円偏光を表します。赤色部分が右回りの円偏光を表します。色が明るいところほど円偏光度が強くなっています。※論文の図からカラーを変更してあります。
図の上にあるバーは、太陽系の大きさを元にした比較用のバーです。



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