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ハワイ島、ヒロの町、そして山麓施設

2000年9月11日

 これまでに、すばる望遠鏡の7つの観測装置 (COMICSFOCASCIAOOHS (CISCO)IRCSSuprime-CamHDS) や望遠鏡の鏡の洗浄について特集してきました。今回は、ハワイ観測所があるハワイ島とヒロの町、さらにハワイ観測所の山麓施設について見ていきましょう。

 8つの大きな島と約130の小さな島々、珊瑚礁からなるハワイ諸島は、日本から約6,000km、アメリカ大陸の西海岸からは約4,000km 離れたところにあります。ホノルルやワイキキビーチがあることで知られている島は、ハワイ諸島全人口120万人の4分の3に当たる人々が住んでいるオアフ島です。ホノルルから飛行機でさらに約1時間のところに、ハワイ諸島の東端の島、ハワイ島があります。四国の半分くらいの大きさのハワイ島は、ハワイ諸島の中で最も大きい島であることから、ビッグアイランドとも呼ばれています。

ハワイ諸島

 ヒロの町は、ハワイ島の東海岸に位置します。人口約4万人のヒロには、多くの日系人が暮らしています。平均年間降水量は約3,300mm にも達し、これは東京の2倍以上の量です。そのため、ヒロの町では「弁当忘れてもカサ忘れるな」といわれているほどです。

 ヒロの西端にあるコモハナ通りは、ハワイ語で「西の通り」を意味します。この通り沿いのハワイ大学ヒロ校ユニバーシィティパーク内に、国立天文台ハワイ観測所の研究施設 (Subaru) はあります。同じ敷地内には、カリフォルニア工科大学のサブミリメートル波望遠鏡 (CSO)ジェミニ望遠鏡 (Gemini)ジョイントアストロノミーセンター(JAC)ハワイ大学天文学研究所 (IfA) の各研究施設があります。カナダ・フランス・ハワイ大学望遠鏡ケック望遠鏡の研究施設は、ヒロから北西に車で約1時間のところにあるワイメアの町にあります。

左から CSO、Gemini、JAC、Subaru、IfA の各研究施設

 ハワイ諸島は、火山活動により誕生しました。ハワイ島は、マウナケア、マウナロア、キラーウエア (1983年から活動開始、東海岸の205ヘクタールの場所が溶岩に覆われた) を含む5つの火山から生まれました。国立天文台ハワイ観測所の研究施設は、周辺がマウナロアの山麓であることから山麓施設と呼ばれています。ヒロの中では高台に位置し、晴れていれば町全体やヒロ湾を見下ろすことができます。

山麓施設からの眺め

 現在、山麓施設では、日本から来たスタッフが約30名、日本以外の国から来たスタッフが約30名の合計約60名が働いています。さらに各観測装置の開発グループのメンバーが入れ替わり滞在していますので、常時70名近い人がいることになります。

 1999年9月に行われた「すばる望遠鏡完成記念式典」の際、紀宮清子内親王殿下が山麓施設をご訪問され、ハワイの州木ククイを植樹されました。その横には、植樹を記念して石碑が建てられました。

ククイの木と記念碑

 山麓施設から車で約2時間のマウナケア山頂にある すばる望遠鏡では、12月から共同利用観測が始まります。すばる望遠鏡、山麓施設ともに、世界各国から来るたくさんの天文学者で賑わうことになるでしょう。

山麓施設の玄関

 

 

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