<第35回大型光学赤外線望遠鏡専門委員会議事録> (案)

 

日時: 2001年9月26日11時〜17時(日本時間)

場所: 国立天文台解析研究棟すばるTV会議室(TV会議利用)

出席者: 安藤、家(委員長)、市川隆、岡村、片ざ、唐牛

佐藤、杉山、田村(幹事)、仲野、林正、舞原、山下

一部出席者:市川伸、関口和、高田、西川、観山、A. Tokunaga、B. McLaren

 

1. 前回議事録(資料35-1)

 前回の議事録を承認した。

 

2. ハワイ観測所報告(安藤、資料35-2)

(はじめに)S01A期は8月上旬まで通常共同利用。装置試験観測はほぼ順調

に進行し、成果も出つつある。8月上旬から10月中旬までは主鏡固定点の

恒久対策、主鏡の蒸着などの作業を行った。

(研究ハイライト)近赤外で観測可能な銀河の90%を確認、系外銀河で超新星

7個発見、S106星形成領域で超低質量天体を多数発見、超金属欠乏星で

Eu検出。ファーストライトからの査読論文は2000年が16編、2001年が投稿

済みを含めて23編と順調に増えている。

(技術開発)1. 主鏡固定点改修、主鏡再蒸着、高度軸絶対角エンコーダ交換。

  2. 望遠鏡の振動除去、追尾精度の向上、制御系改修、赤外副鏡調整。

  3. AOが12月にファーストライト。

(観測所の現状)所属人員は現在71名。 平成13年度予算は、校費が

40.5億円、在外研究員(等)旅費が約1億円、外国旅費が0.36億円。

 平成14年度概算要求として1部門相当を光赤外より移動予定。

 国立学校特別会計は一律10%カットが求めらている。ALMA推進等で

すばるから運営費以外を全体へ供出するよう台内の要請がある。

(望遠鏡時間)運用状況について資料に基づく説明があった。

(当面の予定)S02A期は全ての第一期観測装置を共同利用に提供予定。

 PI装置の受け入れ申請書を受け付けた。 望遠鏡等の機能更新予定に

ついて説明があった。次期装置(FMOS, MOIRCS)の開発を進めている。

赤外検出器を購入する。

 

3. 国立天文台の状況(観山)

 概算要求および天文台予算の状況、ALMAの現状、独立行政法人化に

ついて口頭にて説明があった。

 

4. プログラム小委員会報告(岡村、資料35-3a)

 小委員会を8月1-2日(日本時間)に開催した。応募総数160件で、要求

夜総数は337夜だった。カテゴリーの細分化を行い、レフェリーの負担を

軽くした。審議の結果、29件、47夜を採択した。国際枠の採択は2件、

5夜であった。Target of Opportunity(TOO)観測を一件採択したが、これは

47夜にはカウントしていない。TOO観測の方針についてはハワイ大学にも

周知してもらう必要がある。

 持ち込み観測装置よる観測申請の取り扱いを確認した。技術審査と科学審査

(TACが行う)の両方をクリアーした観測提案のみが採択される。

 S02A期から共同利用枠でも3夜ではできない観測計画を受けつける枠を

新設することが今後の課題として提案された(資料35-9b)。

 S02Aから試行することについて了承したが、詳細については持ち回りで

検討することとした。

 

5. S01B期共同利用報告(山田・田村、資料35-3b)

 S01B期共同利用のスケジュールについて。前回からの変更は、技術審査

に装置担当者(サポート・サイエンティスト)を加えたことと、装置担当者

に提案書を配布して観測効率向上を図ったこと。カテゴリ・装置別などの

詳しい統計、および、採択された提案のリストについて報告があった。

 

6. S00-S01Aすばる共同利用フォローアップサーベイのまとめ(山田、資料35-3c)

 ほぼ期待通りのデータが得られているという回答が約半数ある一方、期待

したデータを得られなかったという回答も約半数ある。この解釈には議論と

注意が必要。数字のみが一人歩きすると良くないという意見があった。

観測時間が一部しか割り当てられず不満という意見もあるので、最小割当希望

時間を提案者に求めるべきという案もあった。

 

7. すばる実験開発小委員会報告(佐藤、資料35-4)

 小委員会を9月19日に開催した。当小委員会の役割を説明、確認した。

R&D予算:2001年度は約8千万円の予算に対して、10件の応募があった。

このうちの3申請については全額支給を決定。5申請については継続審議中。

IRHSの第2期装置としての承認時期について質問があった。

 

8. データアーカイブシステムの現状報告と提案(高田・市川伸、資料35-5)

 および、スパコンのリプレースについて(高田、資料同上)

 SMOKAで公開中のデータとその利用状況について報告があり、装置・望遠

鏡の機能試験期間中のデータについても、「取得後1年半の後、PIの許可の

もとに公開」のポリシーに則って進めたいことが提案され、意見交換があった。

 2002年2月上旬から約一ヶ月の予定で更新。新システムのディスク容量、

CPU計算能力は、現在の、約20倍と約10倍以上の予定。

 

9. FMOSの製作実施状況報告(舞原、資料35-4a)

 資料に基づいて進捗報告があった。UKチームの参加が遅れていること以外

はほぼ順調。主焦点補正光学系の設計で進展があった(変形シュミットプレ

ートによる結像性能の向上)。

 

10. MOIRCS進捗報告(市川隆、資料35-4b)

 設計製作はほぼスケジュールどおり順調に進んでいる。2003年3月完成予

定。院生が活躍している。

 

11. UH/UKIRT時間(田村・関口、資料35-6)

UH時間) 2001年後期(2001.8-2002.1)の公募については、15件55夜の

申し込みがあった。そのうち12件26夜をUH88時間TACにより採択した。

SIRIUSでは4件10夜の日本人研究者向け共同利用と4件5夜のUH研究者向け

観測をサポートすることが報告された。2002年前期の公募要項を回覧した。

UH88時間のTACの構成と審査法については、光赤外専門委員会との意見

交換を進める。協定書は内容の詰めを継続して行っている。

UKIRT)2002年前期からの公募に向けて、協定書作りを急いでいる。

 

12. 将来計画

12.1. 光赤外線将来計画検討の現状(家、資料35-7a)

 超巨大地上望遠鏡、地上干渉計、SPICA(スペース中間遠赤外中口径)、赤外

アストロメトリ衛星、スペースステーションの利用、系外惑星探査などの検討

について、分野の将来計画としての位置づけを行う必要がある。

 

12.2. OHANA計画(西川、資料35-7b)

 マウナケアの3-10m鏡をファイバーで結合。これまでに2回の会合。

サイエンスと現状について紹介した。日本からは光遅延線などで寄与する

可能性あり。

 

13. 望遠鏡時間についての議論(安藤、資料35-8a)

 観測所時間の持ち越し、装置試験観測時間の持ち越しについて提案があり、

承認された。UH時間について意見交換があった。

 

14. 共同利用装置とTOOについて(安藤)

 全ての第一期観測装置が制限つきではあるが共同利用に供されることが提案

され、承認された。TOOのポリシーについて、2つの型があり、

A. 未知の天体・系内超新星・顕著な彗星などについては、そのつど所長時間

から手当すること、

B. GRBなどの科学的成果の大きな突発的天体については共同利用の枠から

確保することが提案され、承認された。TOOの提案については臨機応変に

実施するためにも所内の人を含めることの重要性が指摘された。

 

15. 観測所大プロジェクトについて(安藤、資料35-10)

 上記プロジェクトについて、その主旨と検討状況、スケジュールの説明が

あり、承認された。

 

16. 第2期プログラム小委員の選考

 第2期小委員長に舞原俊憲氏をお願いし、ご本人に承諾して頂いた。

第一期小委員会委員の半数程度を新委員に改選する方針で、光天連からの推薦

を参考にして人選を進め、第二期プログラム小委員会委員として、

第一カテゴリ(太陽系天体)委員に向井正氏、

第二カテゴリ(恒星・銀河系)委員に中田好一氏、

第三カテゴリ(星形成・星間物質)委員に田村元秀氏、

第四カテゴリ(近傍銀河・AGN)委員に太田耕司氏、

第五カテゴリ(銀河団・宇宙論)委員に岡村定矩氏、

汎分野委員(定員三名)に須藤靖氏、有本信雄氏、河合誠之氏

の合計8氏を選任し、委員就任を依頼することにした。

(追記:太田氏が辞退されたので、吉田道利氏を選任し、全員の就任了承を得た)

 

17. すばるユーザーズミーティングのお知らせ(山田、資料)

 12月11-12日(日本時間)に三鷹で開催する。世話人は、青木、市川隆、

今西、山田。

 

以上

 

追記事項

1)9/26開催の第35回すばる専門委員会での審議事項「データアーカイブ提案」

 に関連して、その後アーカイブ担当者を交えて持ち回りで検討した結果

 アーカイブへのデータの採録方法については以下のように簡素化することと

 した。

 主な変更点は以下のとおり:

  (1)添付資料2ではデータを8つのカテゴリに分け、アーカイブへの採録に

   ついての方針が異なり、しかもアーカイブ担当者がデータ採録について

   PIに承諾を得るという作業が伴い複雑であった。これをすべてのデータ

   について、基本的には観測から18ヶ月後にはデータアーカイブに

   自動的に載せることとすると変更する。

  (2)但し、特別な事情があり、アーカイブに載せることを待って欲しいという

   要望が理由を明示して観測PI側から提出された場合は、(その理由に

   ついて審査せずに) データアーカイブに載せることを控える。

  (3)この方針を関係者に周知する。

 

2)専門委員会でUH時間の夜数について安藤所長と、IFAクドリツキ

  所長で話し合うことをお願いしたが、その結果の報告を添付資料3

  のように頂き、この件についても専門委員会として持ち回り了承した。

 

3)共同利用大型枠のS02Aからの新設について、専門委員会での共同利用

 担当からの具体案について、持ち回り検討の結果、すばるユーザーズミーテ

 ィングでの議論も踏まえて、S02Aから一件あたり期間1年以内で10夜

 を上限として共同利用大型枠の観測申し込みを受付け、S02A期は最大

 10夜を上限として大型枠を割付け試行することを了承した。

  審査は専門委員会がプログラム小委員会と合同で行うこととし、

 S02Bの受付については、S02Aでの採択状況を見て改めて決定する

 こととした。