第24回大型光学赤外線望遠鏡専門委員会議事録(案)

 

日時:平成10年3月9日 11:00〜17:00

場所:国立天文台会議室

出席者:家正則(委員長)、大谷浩(副委員長)、安藤裕康、梶野敏貴、

    定金晃三、松本敏雄、高見英樹、田中培生、中井直正、舞原俊憲、

    林正彦 各委員

    海部宣男ハワイ観測所長、唐牛宏すばる室長

欠席:山田亨委員

 

)議事録確認

・第23回大型光学赤外線望遠鏡専門委員会議事録(資料24-1)の内容を確認して了承した。

 

報告事項

)すばるプロジェクトの概況

・海部所長から、天文台職員のハワイへの赴任状況、RCUH職員の採用状況と今後の予定、すばる望遠鏡主鏡の研磨工程、ファ−ストライトと試験観測の見通し、他の8m級望遠鏡計画の進捗状況について説明があった(資料24-2)。

・唐牛すばる室長から平成10年度のすばる関係予算についての説明があった(資料24-2)。

・海部所長から、ハワイ大学ヒロ校の月例報告誌に載った成相教授退官についての記事の紹介があった。また三鷹にて開発を進めてきたソフトウェアシミュレ-タと近赤外線試験観測装置CISCOとの接続試験が成功したとの報告があった(資料24-2)。

 

)すばる望遠鏡映像利用による広報・教育企画

・海部所長から国立天文台、国立科学博物館、NHKの三者が進めている標記企画について説明があり、議論があった(資料24-3)。すばる望遠鏡にハイビジョンカメラを搭載して、得られる動画像をリアルタイムで、あるいはインタ−ネットにて全国関係機関や学校等へ配信することを含む企画で、広報普及教育活動に資することをめざすものである。

 

)観測装置計画書及び合意書について

・海部所長から、各観測装置による試験観測スケジュ-ルの説明があった(資料24-4)。また、家委員長からも同様の資料(資料24-4')の提示があった。

・高見委員から、観測装置製作合意書について海部所長との懇談内容の報告があった(資料24-5)。性能試験観測期の観測計画については、当専門委員会が中心となって観測内容の検討を行うことが確認された。各装置に与えられるギャランティード・タイムの使用方法、分散解析ソフトウェア整備についての議論があった。これらの議論を踏まえて、次回専門委員会までにハワイ観測諸から改訂案を提示する。

 

)第17期天文学国際共同観測専門委員会活動計画

・家委員長から、標記の件について説明があった(資料24-6)。


審議事項

)試験観測装置について

・海部所長から、中間赤外線試験観測装置MIRTOSについての説明があった(資料24-7)。また観測装置交換システム、同架式観測装置交換システム、及びファ-ストライト時におけるそれらの使用予定について、説明があった。

・田中済教授から、可視光試験観測装置VTOSについての説明があった(資料27-8)。

・田中済教授から、三菱電機が用意する試験調整用カメラ、及びハワイ観測所が用意する試験調整用カメラについて説明があった(資料24-9)。

 

)試験観測の内容について

 事前に各装置グル-プより提出された試験観測計画書について、各装置ごとにレビューを依頼した2名の委員からの検討報告を受け、その後意見交換を装置ごとに行った。

 

・田中培生、林両委員から、近赤外線試験観測装置CISCOによる試験観測内容についての検討報告があった(資料24-11)。舞原委員から参考資料(24-11’)が配布された

・定金、梶野両委員から、試験観測用広視野カメラSuprimeCam(Cass)による試験観測内容についての検討報告があった(資料24-12)。

・田中培生、梶野両委員から、補償光学付きコロナグラフ撮像装置CIAOによる試験観測内容についての検討報告があった(資料24-13)。

・松本委員から、近赤外線分光撮像装置IRCSによる試験観測内容についての検討報告があった(資料24-14)。山田委員による検討結果(資料24-10)が文書にて報告された。

・補償光学系による試験観測(資料24-15)について意見交換があった。

・松本、中井両委員から、冷却中間赤外線分光撮像装置COMICSによる試験観測内容についての検討報告があった(資料24-16)。

・林、定金両委員から、微光天体分光撮像装置FOCASによる試験観測内容についての検討報告があった(資料24-17)。

・中井委員から、高分散分光器HDSによる試験観測内容についての検討報告があった(資料24-18)。山田委員による検討結果(資料24-10)が文書にて報告された。

 

・装置製作グル-プが提案したテ-マ以外にも成果の期待できる試験観測テ-マがあること、性能試験観測で全ての分野の観測を目指す必要は必ずしもないこと、などの意見出された。

・性能試験観測により、装置のどの性能を検証するのかが明確に書かれていないものがあること、性能試験観測の計画が十分具体化していない、あるいは期待される成果の記述が不十分なものがまだ多いことなどが指摘された。

・性能試験観測の内容については、今後より具体的な観測計画を各観測装置製作グル-プから提出してもらい、当委員会にて適宜委嘱委員を追加して、装置担当者出席のもとで順次レビューすることとなった。

・観測計画小委員会にはH10年度R&D計画のレビュ-などをお願いすることとした。

 

)次回専門委員会

・次回専門委員会の日程を平成10年5月12日11時から17時とし、合意書改訂案の検討、及びMIRTOS、VTOS、CISCO、SuprimeCamのレビュ-を行うことを確認した。