2008年5月7日
土星大気の振動を発見
国際研究チームは、土星の大気が振動していることを発見しました。20年以上にもわたり、NASA の研究者らは土星の上昇大気の温度変化について、マウナケア山頂にある望遠鏡や最近ではカッシーニ土星宇宙探査機によるデータから調べてきました。その結果、土星の赤道の南北方向にまるで波が前後するように温度変動が起こっていることがわかりました。すばる望遠鏡も今回の観測には重要な役割を果たしており、ハワイ観測所の二人の研究者が本プロジェクトに参加しています。地球大気や木星大気にも類似の現象が見られており、今後の観測も合わせ土星大気の温度変化の要因を解明できることが期待されています。
2008年3月24日
125億光年彼方の生まれたての小さな銀河 ―すばるで見つけ、ハッブルで極める―
愛媛大学、東北大学、カリフォルニア工科大学などからなる研究チームは、すばる望遠鏡で発見した125億光年彼方にある80個の銀河をハッブル宇宙望遠鏡の高性能サーベイカメラで撮影し、17個の銀河はまだ4000光年程度の大きさしかないことを明らかにしました。これだけ多数の生まれたての銀河の詳細な形態をハッブル宇宙望遠鏡で系統的に調べたのは世界で初めてです。今回観測された生まれたての銀河は、現在の銀河に比べて数十分の一の大きさしかありません。これらの銀河はその後100億年以上の時間をかけて合体を繰り返し、現在観測されるような大きな銀河に成長してきたことを意味します。まさに理論的な研究で予想されている銀河形成の現場を捉えたと考えられます。
大質量星の終焉と塵の誕生の現場 ―「あかり」衛星と「すばる」望遠鏡などによる観測と理論モデルが解き明かす超新星爆発の素性―
東京大学、北海道大学、広島大学などの研究者からなるグループは、すばる望遠鏡の微光天体分光撮像装置(FOCAS)と共に、赤外線天文衛星「あかり」、MAGNUM望遠鏡、かなた望遠鏡を用いて、超新星2006jcの可視から赤外線にわたる多波長観測を行いました。すばる望遠鏡等による超新星2006jcの爆発以後半年間に及ぶ継続的な可視光観測からは、爆発から約二ヶ月を過ぎたころより、超新星が可視光で急激に暗くなる様子が観測されています。「あかり」衛星による赤外線観測と併せて、終焉を迎えた星が超新星爆発による放出物質中で宇宙塵が誕生する現場を捉えることに成功しました。同時に、これらの観測データと最新の理論モデルとの比較を通じて、太陽の40倍以上の質量の星が一生の中で度重なる質量放出活動を経て超新星爆発に至るまでの過程を明らかにいたしました。
2008年2月20日
重力レンズ効果による銀河を遠方宇宙に多数発見
COSMOSプロジェクトを進める国際研究チームは、遠方宇宙にある大質量の楕円銀河とレンズ状銀河の周辺に 67個もの重力レンズ効果を受けた銀河を発見しました。 同プロジェクトには、すばる望遠鏡をはじめとする地上望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡など、世界各国の大型望遠鏡が参加しています。 本成果は強い重力レンズの多様性を示しており、仮にこの結果が統計的に有意であるならば、同じような重力レンズが全天に 50万個ほど存在することがわかりました。さらに多くの重力レンズが発見されれば、宇宙に広がる銀河の質量が解明されることになるでしょう。
2008年2月8日
すばる、最も軽い星の円盤の撮像に成功 〜地球型惑星の誕生の場か?〜
総合研究大学院大学、国立天文台などの研究者からなるチームが、すばる望遠鏡コロナグラフ・カメラを用いてFN Tau(おうし座FN星)とよばれる、重さが太陽の10分の1しかない若い星の観測を行い、惑星が生まれる現場である原始惑星系円盤を直接撮像することに成功しました。
2008年1月31日
「超新星は丸くない:すばる望遠鏡で爆発する星の内部を探る」
東京大学・広島大学などの研究者からなるグループは、すばる望遠鏡の微光天体分光撮像装置(FOCAS)を用いて爆発から200日以上経過した超新星を15天体観測し、超新星の形状が球対称でないことを明らかにしました。大質量星が一生の最後に起こす超新星爆発が「丸くない」というその結果は、現代天文学上の未解決問題のひとつである超新星の爆発メカニズムに迫る初の観測成果として、今後 の超新星やガンマ線バーストの研究に大きな影響を与えることが期待されます。