国立天文台の大内正己研究員(現職:米 宇宙望遠鏡科学研究所・ハッブル特別研究員)を中心とする東京大学、国立天文台 などの研究グループは、すばる望遠鏡によって127億年前の宇宙に、生まれて間もない銀河団を発見しました。
この研究結果は2月26日から米国ハワイで開催される国際研究会"The Future of Cosmology with Clusters of Galaxies"で発表されます[1]。 低解像度 (115 KB) 高解像度 (690 KB)
銀河団とは、数十個の銀河が狭い範囲に集まった集団です[2]。しかし、このような巨大な集団がいつ頃、どのように生まれてきたのかはわかっていません。
研究グループは銀河団の起源に迫るために、可能な限り遠い宇宙を観測して、大昔の銀河団を探すことにしました。くじら座の方角(※1)にすばる望遠鏡の主焦点広視野カメラ(Suprime-Cam)を向け、127億光年彼方の宇宙を幅広く見渡した結果、指し渡し約5億光年、奥行き1億光年におよぶ広い範囲で515個の銀河を見つけました。これらの銀河の分布を示した「宇宙地図」を図1に示してあります。この「宇宙地図」は、人類史上で最も遠くの世界(※2)を表した地図であると同時に、最古の宇宙を示した地図とも言えます。
さらに研究グループは、「宇宙地図」の南側に、偶然では説明できないくらい多数の銀河が集まっているのを見つけました。その部分にある銀河を微光天体分光撮像装置(FOCAS)で詳細に観測した結果、直径300万光年の狭い範囲に6個の銀河が群がる、いわば“銀河団の祖先”を発見しました。 これは、いままで知られている中では最遠の銀河団です。この銀河団は、現在の銀河団と比べると、構成する銀河の個数が少ない上、全体の質量も2桁小さくなっています。さらにこの銀河団の中では活発に星が作られていることが分かりました。そのため、これは生まれたばかりの銀河団であり、今日見られるような巨大な銀河団へと成長する最初の姿であると考えられます。
今回の発見は、銀河団が生まれつつある姿を世界に先駆けてとらえたもので、銀河団の起源を明かす重要な一歩です。
※1 すばる/XMMニュートン・ディープサーベイ領域[2] 。詳細は2004年6月1日発表のプレスリリース参照 ※2 ガスの温度分布である宇宙背景放射の画像を含めない場合 参考文献: [1] Ouchi et al. 2005, Astrophysical J., 620, L1-L4 [2] 図鑑 NEO 宇宙(小学館)P.108-109, 池内 了, 半田 利弘, 大内 正己, 橋本 樹明 [3] Sekiguchi, K. et al. (2004), Astrophysics and Space Science Library, 301, 169
参考文献: [1] Ouchi et al. 2005, Astrophysical J., 620, L1-L4 [2] 図鑑 NEO 宇宙(小学館)P.108-109, 池内 了, 半田 利弘, 大内 正己, 橋本 樹明 [3] Sekiguchi, K. et al. (2004), Astrophysics and Space Science Library, 301, 169