【タイトル】主焦点カメラで0.3秒角の星像サイズを達成 【観測条件】 天 体 名: 渦巻銀河 (M63、NGC 5055) 使用望遠鏡: すばる望遠鏡 (有効口径8.2m)、主焦点 使用観測装置: Suprime-Cam フィルター:Bバンド (0.45μm)、Vバンド(0.55μm)、Hαバンド(0.65μm) カラー合成: 青(B)、緑(V)、赤(Hα) 観測 日時: 世界時2000年6月10日 露出 時間: 45秒 (Bバンド)、15秒 (Vバンド)、30秒 (Hαバンド) 視   野: 5.0分角x6.6分角 画像の向き: 上が北、左が東 位   置: 赤経(J2000.0)=13時15分49.1秒、赤緯(J2000.0)=+42度01分43秒 (りょうけん座) 【説 明】  今年暮れから始まる共同利用観測 (注1) を目指して、すばる主焦点カメラSuprime-Cam による本格的 な観測を開始しています。最高で 0.3秒角の星像サイズ (注2) を達成するなど、主鏡を支える固定点の改 修後におけるすばる望遠鏡の性能は、従来と変わらないことが確認されました。  6月3日、すばる望遠鏡の主焦点に取りつけたすばる主焦点カメラ Suprime-Cam による可視光の観測 を行いました。はじめの焦点位置合わせの作業において、星像サイズとして 0.3 秒角 (1秒角は1度の 3600分の1) を達成しました。Suprime-Cam 製作の中心的役割を果 たし、実際に観測を行った国立天文 台の宮崎聡氏は、「星像サイズが 0.3秒角の画像が得られたときは、思わず身震いをしました」とコメン トしています。  下の画像は、これに続く観測で星像サイズが 0.5秒角の状態のとき、Suprime-Cam により撮影した渦 巻銀河 M63 (NGC 5055) です。 M63 は地球から約2400万光年離れており、星の形成が盛んに行われて います。Suprime-Cam による画像では、きつく巻いている渦の構造や、高温の星に照らされて電離した 水素が赤く輝く 領域 (HII 領域) がはっきりと写し出されています。 なおこの画像は、Suprime-Camによ り得られた画像の一部を切り出したものです。 注1 共同利用観測とは、全国および世界各国の天文学者から広く観測提案を募り、審査により選ばれた 観測を行うことをいいます。 注2 星像サイズは、星の像の明るさ分布がピークに対して半分になるところの直径として定義します。 一般 的に、大気のゆらぎのため星像サイズは近赤外線よりも可視光の方が大きめになります。今回得ら れた可視光で 0.3秒角の星像サイズ は、昨年6月に近赤外線で得られた 0.2秒角の星像サイズに匹敵する ものです。